ONCE ダブリンの街角で
2008.05.27(Tue)
この音楽に世界が沸いた!
ふたりをつなぐ、愛より強いメロディ
たった一度の大切な出会い。切ない思いを名曲に乗せて描く、珠玉のラブストーリー。

 結末はどうあれ、一生忘れられない恋というものがある…。
観終わった瞬間、そんな思いとともに深い余韻が残る、アイルランドのダブリンから届けられた珠玉のラブストーリー。

 ダブリンの街で、ストリートミュージシャンを続ける男は、同じストリートで雑誌や花を売る女と、いつしか心が惹かれ合っていく。
ただそれだけなのだが、物語だけ書き連ねても本作のすばらしさは伝わらない。
ふたりの出会いから、恋とも友情とも言えない関係になるまでの繊細な道のりが、音楽なくしては語れないからだ。

 男を演じるのはアイルランドの実力派バンド「ザ・フレイムス」のグレン・ハンサードで、『ザ・コミットメンツ』以来の映画出演。
彼の心の叫びを絞り上げるような歌詞が物語とシンクロし、目の前にいるヒロインだけでなく観る者の心を揺さぶっていく。

 恋に一歩踏み出せない現実に生きるヒロインが、男の新曲のために歌詞を考え、そこにささやかな幸せを見出すシーンなど、音楽とドラマの交わりに感動せずにはいられない。
街と、そこに生きる人々、音楽の結びつきが、奇跡のような空気感を生み出すのだ。

 主人公ふたりの名前は、最後までセリフにも出てこない。
名前がないという設定も、観る人それぞれにとって、宝石のような思い出と重ね合わせる普遍性をもたらす。(斉藤博昭)

ONCE ダブリンの街角で デラックス版
ジェネオン エンタテインメント (2008-05-23)
売り上げランキング: 120
おすすめ度の平均: 5.0
5 傑作
5 一期一会の出逢いの素晴らしさ
5 祝!オスカー受賞。小品だが、勇気と力を与えてくれる。
5 素朴で新鮮


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